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Y型ハーネスの方が犬の肩の動きを制限する可能性がある

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王立獣医学校(イギリス)による研究で、犬用ハーネスの各タイプが犬の動きに与える影響の再検証が行われた。この調査では、犬の運動を「制限する」とされるハーネスと、「制限しない」とされるハーネスが、ランニングマシン上の歩行や早歩きの際、犬の動きにどのような影響を与えるかという点が検討の対象になった。

この研究でイギリスの獣医師グループは、犬の動きを「制限しない」とされるY型ハーネスと、「制限する」とされる胸当てタイプのハーネスを比較した。研究では、運動制限に関するグループ分けが、いかに憶測と仮定に基づいたものに過ぎないかが述べられている。

研究者らは、運動機能的にも神経医学的にも問題のない、年齢1歳以上の犬種の異なる9頭の犬の動きに対して、2通りのハーネスがどのような影響を及ぼすかを調べた。実験中、犬はランニングマシンの上を歩行・早歩きし、ハーネスに装着されるリードの張力は、2.5キロの重り2個を用いてシミュレートされた。

その結果、自由な動きの場合と比べて、どちらのハーネスも犬の運動をある程度は制限することがわかった。同時に、動きを「制限しない」とされるY型ハーネスが実際には胸当て型ハーネスよりも犬の動きを抑制していたことは驚きだった。「非制限タイプのハーネスが歩行中に4.73°、早歩き中に9.31°肩の動きを抑えたのに対し、制限タイプのハーネスは歩行中に2.16°、早歩き中に4.32°肩の動きを抑制した」-『Veterinary Record』誌上に発表された研究論文はこう指摘している。

研究者たちは、犬の動きを「制限する」とされるハーネスは、犬の肩の自由な動きをより広範囲にわたって妨げるタイプの方だろうと想定していただけに、この結果は予想外だったと指摘している。論文に書かれている通り、この実験結果は、動きを「制限する」とされるハーネスに対する、巷間に流布した否定的意見にも反している。

同時に専門家たちは、さらに周到な準備を施した犬を用いて、より徹底的なテストを繰り返す価値があるだろう、と認めている。また、ハーネスがどの程度動きを制限するかという問題を検討する際には、犬の体の毛も考慮に入れなければならないとしている。